LIFE FIT DATA 49 / 街・人間関係

都会ほど孤独?
人の多さより「頼れる人がいるか」を見る

人が多い街に住めば、孤独は減るのでしょうか。 2025年の全国調査を見ると、都市の大きさより「頼れる人がいるか」の差のほうがずっと大きく出ています。

公開日:2026年9月19日 更新日:2026年9月26日
まず、ここだけ孤独は「都会か田舎か」より、人とのつながりで見たほうが近そうです。

人口密度と孤独感をそのまま結ばないほうがいいです。

結論「都会ほど孤独」とは言えません。一方、強い孤独感は、頼れる人がいる人2.7%に対して、いない人25.1%。公開データでは、都市規模より身近な人間関係の差のほうがずっと大きく出ています。
2025年・強い孤独感

一番大きかったのは、「頼れる人がいるか」の差

都市か地方かより、人とのつながりの有無で大きな差が出ています。

頼れる人なし25.1%
外出なし14.0%
同居人なし9.8%
同居人あり3.4%
頼れる人あり2.7%

内閣府「人々のつながりに関する基礎調査」。全国の個人データです。

まず、全国では「強い孤独感」4.5%

内閣府の2025年「人々のつながりに関する基礎調査」は、全国の16歳以上2万人を無作為抽出し、11,873人の有効回答を得ています。

「あなたはどの程度、孤独であると感じることがありますか」という直接質問で、「しばしばある・常にある」は4.5%。「時々ある」13.7%、「たまにある」19.5%まで含めると、何らかの孤独感を答えた人は37.7%でした。

2025年 全国・孤独感の直接質問

しばしばある・常にある:4.5%
時々ある:13.7%
たまにある:19.5%
合計:37.7%

ただし、この37.7%は「都会の人の割合」ではありません。全国全体の数字です。

一人で暮らすと、強い孤独感は3.4%→9.8%

同じ調査で、同居人がいる人の「しばしばある・常にある」は3.4%。同居人がいない人では9.8%でした。約2.9倍です。

同居人の有無 × 強い孤独感

同居人がいる:3.4%
同居人がいない:9.8%

さらに単身者だけを見ると、男性12.8%、女性6.9%。一人暮らしを一括りにしても、孤独感は同じではありません。

ここで大切なのは、「単身世帯が多い街=孤独な街」と短絡しないことです。統計が示すのは個人の同居状況と孤独感の関係であって、都市そのものの効果ではありません。

もっと差が大きいのは「困った時に頼れる人」

困った時に頼れる人がいる人では、強い孤独感は2.7%でした。頼れる人がいない人では25.1%。約9.3倍です。

頼れる人の有無 × 強い孤独感

頼れる人がいる:2.7%
頼れる人がいない:25.1%

人口が何万人いるかより、自分が困った日に連絡できる相手がいるか。少なくともこの調査では、こちらの差のほうがずっと鮮明です。

人の数より、「つながれる人」がいるか

満員電車の街でも頼れる人がいれば孤独とは限りません。小さな町でも相談相手がいなければ孤独になり得ます。人口密度と孤独感は同じ指標ではありません。

社会活動への参加でも、2.1%と6.5%に差

PTA、自治会・町内会、ボランティア、趣味・スポーツ、その他の社会活動のいずれかに参加している人では、強い孤独感は2.1%。特に参加していない人では6.5%でした。

外出頻度でも、週5日以上では4.0%なのに対し、週1日未満8.1%、外出しない人では14.0%でした。

社会との接点 × 強い孤独感

何らかの社会活動に参加:2.1%
特に参加していない:6.5%
週5日以上外出:4.0%
外出しない:14.0%

これも因果関係を証明する数字ではありません。孤独だから外出しなくなる方向も考えられます。それでも、「都会か地方か」以外に見るべき条件がかなりあることは分かります。

では、都会の人間関係が薄いという話は全部ウソなのか

そこまで言うのも早いです。少し古い内閣府の2011年調査では、「居住地域で地域のつながりを感じる」と答えた割合は、大都市69.1%、中都市73.8%、小都市83.4%、町村87.8%でした。都市規模が大きいほど、地域とのつながりを感じる割合が低い傾向はありました。

ただし、これは「地域とのつながり」を聞いた調査であって、「孤独感」そのものではありません。しかも2011年の結果です。ここをそのまま2025年の都会の孤独率として使うことはできません。

最新の2025年全国調査は、孤独感を同居、収入、外出、社会参加、頼れる人などで詳しく分けていますが、公開されている報告書では都市規模別の孤独感を主分析にしていません。

住む街では、人口密度より「居場所を作れそうか」

「都会は人が冷たい」「地方は人付き合いが濃い」というイメージだけで住む場所を決めると、自分の生活から離れてしまいます。

一人暮らしなら、徒歩で出られる店や図書館、趣味の場所があるか。引っ越した後でも参加できるコミュニティがあるか。友人や家族に会いに行ける交通があるか。困った時に相談できる医療や行政窓口へ届きやすいか。こうした具体的な接点のほうが、人口密度より暮らしに翻訳しやすい条件です。

都会には匿名性がありますが、選べる居場所も多い。地方には地域との接点が作りやすい場所がある一方、人間関係の距離が近いことを負担に感じる人もいます。「人の多さ」ではなく、「自分がつながりを作りやすい街か」で見るほうが実用的です。

どう検証した?

最新の全国データとして、内閣府「令和7年 人々のつながりに関する基礎調査」の直接質問による孤独感を確認し、同居人、社会活動、外出頻度、困った時に頼れる人の有無とのクロス集計を読みました。都市規模そのものとの最新クロス集計が主要公表表にないため、人口密度を孤独感の代替指標にはしていません。都市規模と地域のつながりについては、比較の参考として2011年の内閣府調査を別枠で示しています。

使ったデータ

判定:「都会ほど孤独」は最新公表データだけでは直接支持できません。孤独感には、同居、頼れる人、外出、社会参加などで大きな差が確認されています。

人が多い街かより、自分の居場所を作れそうか。

街の規模、にぎわい、生活のしやすさまで含めて候補を探します。

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