LIFE FIT DATA 41 / 街・移動・家計

地方では車に縛られる?
便利さと必須を分けて考える

車は自由を広げる道具です。でも、車がないと何もできないなら話は少し変わります。 便利だから乗るのか、乗らないと暮らせないのか。その違いを見ます。

公開日:2026年9月19日 更新日:2026年9月26日
まず、ここだけ問題は車の多さではなく、「車を使わない選択肢があるか」です。

電車・バス・徒歩でどこまで暮らせるかを見ます。

結論「車に支配されている」は強い言い方ですが、車が家計と移動の大きな部分を占める地域はあります。通勤・通学で自家用車だけを使う割合は山形80.6%、東京8.8%。車の必要性には大きな地域差があります。
2025年・二人以上世帯

自動車等関係費は、月平均2万8,355円

年間に直すと約34万円。これは「1台の維持費」ではなく世帯平均です。

消費支出全体314,001円/月
自動車等関係費28,355円/月

自動車等関係費を単純年換算すると340,260円。車を持たない世帯も含む全国平均です。

車が多い街と、車しか選べない街は違う

車を好きで持つのと、持たないと生活できないのは別です。2020年国勢調査で、通勤・通学が「自家用車のみ」の割合は全国48.2%。山形県80.6%、秋田県79.6%、富山県79.5%に対し、東京都は8.8%でした。

2020年 通勤・通学「自家用車のみ」

山形:80.6%
秋田:79.6%
富山:79.5%
全国:48.2%
東京:8.8%

ここで見えているのは「車好き」の割合ではありません。毎日の仕事や学校へ行く手段として、車がどれだけ中心にあるかです。

家計でも、車は小さくない

総務省「家計調査」の2025年平均では、二人以上の世帯の消費支出は月314,001円。そのうち「自動車等関係費」は月28,355円でした。単純に12か月を掛けると約34万円です。

2025年 二人以上世帯・月平均

消費支出:314,001円
自動車等関係費:28,355円
12か月換算:340,260円

ただし、これは「車1台を持つと年34万円」という意味ではありません。車を持たない世帯も含む全国平均で、自動車購入、ガソリン、整備、駐車場、保険などが含まれます。車の購入は年によって大きくぶれるため、個人の維持費としてそのまま使う数字でもありません。

それでも、車関係の支出が家計の中で無視できない項目であることは分かります。

車社会が悪いのではなく、代わりがあるかどうか

車中心の暮らしには利点があります。時刻表に縛られず、家から目的地まで直接行ける。家族の送迎やまとめ買いにも向きます。

問題になるのは、免許返納、故障、収入減、ガソリン高、体調不良などで車を使えなくなったとき、生活そのものが止まる場所です。

自由度を見る

「車を使える」ことより、「今日は車を使わない」を選べるか。鉄道、バス、徒歩、自転車、宅配など代替手段が残っているほど、車は必需品ではなく選択肢になります。

同じ1台でも、意味はまるで違う

駅徒歩5分に住み、週末のレジャーだけ車を使う世帯。通勤、買い物、通院、送迎のすべてを車で行う世帯。どちらも「車1台」です。

だから世帯当たり保有台数だけでは、生活がどれほど車に依存しているかは測れません。見るべきなのは、車を使う回数、車がない日に代替できる行き先、そして維持費が家計に占める割合です。

「地方は車が多い」という統計は入口として使えますが、「その人の人生が車に縛られている」まで統計だけで決めることはできません。

住む場所を探すとき、一度「車なし」で考えてみる

候補地を見つけたら、あえて「明日から1か月、車が使えない」と仮定します。職場へ行けるか。スーパーへ行けるか。病院へ通えるか。夜に帰宅できるか。

全部困るなら、車への依存度は高い。いくつか代替できるなら、車を持ちながらも暮らしの自由度は残っています。

高齢期まで住む予定なら、この確認はさらに重要です。今運転できることと、20年後も運転することは同じではありません。

「田舎では車必須」との違い

関連記事の「田舎では車必須」は、車なし生活が成立する場所を探す記事です。こちらは、車を持つこと自体を否定せず、家計と日常がどれだけ一つの移動手段に依存しているかを見ています。

車が好きなら持てばいい。でも「持たない選択ができない」のか、「持たなくても暮らせるけど好きで持っている」のか。この差は、暮らしの自由度としてかなり大きいはずです。

どう検証した?

移動の依存度は総務省「令和2年国勢調査」の都道府県別通勤・通学交通手段で確認しました。家計負担の参考として、総務省「家計調査 2025年平均(二人以上の世帯)」の自動車等関係費を使用しています。家計調査の値は車保有世帯だけの費用でも、1台当たり維持費でもないため、そのような読み替えはしていません。

使ったデータ

判定:車中心の生活は地域によってかなり強い。ただし「支配」は、保有台数ではなく代替手段と家計への依存度で考えます。

車が必要かではなく、車なしでも困らないか。

駅、買い物、病院まで見て、移動の選択肢がどれだけあるか比べます。

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