LIFE FIT DATA 15 / 食・消費

コーヒーを一番飲む街はどこ?
支出額と購入量を分ける

「コーヒーに一番お金を使う街」と「一番たくさん買う街」は、実は同じではありません。 高い豆を買うのか、量を飲むのか。家計調査の見え方が変わります。

公開日:2026年9月19日 更新日:2026年9月26日
まず、ここだけ支出額トップ=一番飲む街、ではありません。

金額と購入量を分けると、ランキングの意味が変わります。

結論2023〜2025年平均では、コーヒーに一番お金を使ったのは大津市、購入量が一番多かったのは京都市でした。「日本一のコーヒー好き」を1つのランキングで決めようとすると、値段や買い方まで混ざってしまいます。
2023〜2025年平均・家庭用コーヒー

支出額1位は大津市

ただし購入量1位は京都市。お金と量で「1位」が変わります。

大津市10,396円
京都市10,149円
水戸市9,749円
東京都区部9,679円
全国8,389円

二人以上世帯。購入重量では京都市3,265gが1位、大津市3,130gが3位。

お金を一番使うのは大津市。年10,396円

総務省「家計調査」の2023〜2025年平均で、二人以上世帯の家庭用コーヒーへの年間支出額は大津市が10,396円で52都市中1位でした。

2023〜2025年平均 コーヒー年間支出額

1位 大津市:10,396円
2位 京都市:10,149円
3位 水戸市:9,749円
4位 東京都区部:9,679円
全国平均:8,389円

大津市は全国平均より約24%多く使っています。

でも、一番たくさん買うのは京都市

同じ家計調査で購入重量を見ると、1位は京都市3,265g。大津市は3,130gで3位でした。

2023〜2025年平均 コーヒー年間購入量

1位 京都市:3,265g
大津市:3,130g・3位

金額では大津が上、重量では京都が上。「コーヒー日本一」は、何を物差しにするかで答えが変わります。

支出額 ≠ 飲んだ杯数

豆・粉・インスタントの価格帯が違えば、同じ重量でも支出額は変わります。1gから何杯淹れるかも商品や淹れ方で違います。

缶コーヒーやペットボトルは、また別の数字

家計調査では、家庭用の「コーヒー」と「コーヒー飲料」は別品目です。

2023〜2025年平均で、コーヒー飲料の支出額1位は青森市7,545円。大津市は5,921円でした。

家庭で買うコーヒーは一種類ではない

コーヒー:豆・粉・インスタントなど
コーヒー飲料:液体のコーヒー飲料
喫茶代:店で飲む支出はさらに別

「コーヒーをよく飲む街」を一つの表だけで決めるのが難しい理由です。

喫茶店で飲むコーヒーも、この数字には入らない

店で飲むコーヒーは「喫茶代」など外食側へ入ります。2023〜2025年平均の喫茶代は名古屋市16,431円で全国1位でした。

家庭用コーヒー1位は大津、購入量1位は京都、喫茶代1位は名古屋。どの街を「コーヒーの街」と呼ぶかは、家庭で淹れるのか、液体飲料を買うのか、店へ行くのかで変わります。

大津は、一年だけの偶然でもなさそう

大津市の公式「おおつデータブック」でも、2021〜2023年平均のコーヒー支出額は9,846円で1位。2022〜2024年平均も9,988円で1位でした。

大津市・コーヒー支出

2021〜2023年平均:9,846円・1位
2022〜2024年平均:9,988円・1位
2023〜2025年平均:10,396円・1位

集計期間を1年ずつずらしても1位が続いています。少なくとも近年の大津市で家庭用コーヒー支出が高い、という特徴はかなり安定しています。

では、なぜ大津や京都で多いのか?

ここから先は、家計調査だけでは分かりません。気候、年齢構成、在宅時間、所得、スーパーの商品構成、京都圏の喫茶文化など、いくつも仮説を作れます。

でも「寒いから」「忙しいから」と理由を一つ決めるには、その変数を同じ都市・同じ期間で比べる必要があります。

ランキングで確認できるのは消費の特徴まで。原因は別の分析です。

しかもこれは「県」ではなく、都市のランキング

このランキングの単位は47都道府県ではなく、都道府県庁所在市と政令指定都市を合わせた52都市です。

「滋賀県民が一番飲む」ではなく、正確には「大津市の二人以上世帯で家庭用コーヒー支出が最も多い」です。

県名でキャッチーに語るほど、統計の粒度が一段ずつ粗くなります。

街の個性を見る入口としては、かなり面白い

家計調査は、その街で日常的に何が買われているかを見つけるには面白いデータです。

大津のコーヒー、高松のうどん、名古屋の喫茶代。数字を並べると、観光名物とは少し違う「普段の暮らしの癖」が見えてきます。

原因を勝手に決めず、「この街では何が日常になっているのか」を見る。生活情報として使うなら、そこがちょうどよい距離です。

どう検証した?

総務省「家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング」の2023〜2025年平均から、家庭用コーヒーの年間支出額・購入数量とコーヒー飲料の支出額を確認しました。過年度の大津市の順位は大津市公式データブックで確認しました。支出額をそのまま飲んだ杯数へは換算していません。

使ったデータ

判定:家庭用コーヒー支出では大津市が1位ですが、購入量1位は京都市です。「一番飲む街」を支出額だけでは決めません。

コーヒー1杯にも、街の暮らし方が出る。

観光名物ではなく、普段の買い物を見ると、その街の日常が少し見えてきます。

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