LIFE FIT DATA 06 / 県民性・家事

「九州男児は家事をしない」は本当?
家事・育児時間で見る

「九州男児は家事をしない」と一括りにすると、実際の差が見えなくなります。 九州7県でも、夫の家事・育児時間にはかなり幅があります。

公開日:2026年9月19日 更新日:2026年9月26日
まず、ここだけ九州という地域名だけで、男性の家事行動は決まりません。

県ごとの違いも、家庭ごとの違いもあります。

結論「九州男性はみんな家事をしない」とは言えません。2021年、6歳未満の子どもがいる世帯では、夫の家事関連時間が宮崎2時間10分、鹿児島2時間05分と全国平均を上回りました。一方、大分は1時間24分。九州の中でもかなり違います。
2021年・6歳未満の子がいる世帯

「九州男児」で一括りにすると、46分の県差が消える

夫の家事関連時間・1日。

宮崎2:10
鹿児島2:05
全国1:54
福岡1:50
佐賀1:35
大分1:24

家事関連時間は家事・介護看護・育児・買い物の合計。

同じ九州で、宮崎2時間10分・大分1時間24分

総務省「令和3年 社会生活基本調査」で、6歳未満の子どもがいる「夫婦と子供の世帯」の夫の家事関連時間を見ます。

2021年 夫の家事関連時間・1日

全国:1時間54分
宮崎:2時間10分
鹿児島:2時間05分
福岡:1時間50分
佐賀:1時間35分
長崎:1時間30分
熊本:1時間25分
大分:1時間24分

最長の宮崎と最短の大分では46分差。県境を越えた瞬間に価値観が変わるわけではありませんが、少なくとも「九州」という一語では実際の家事時間を説明できません。

宮崎と鹿児島は、むしろ全国平均より長い

「九州男児=家事をしない」が今も九州全域に強く残っているなら、7県がそろって全国下位に並びそうです。しかし宮崎と鹿児島は全国平均を超えています。

全国の最長は奈良県2時間34分、最短は石川県1時間00分。家事時間の地域差は、九州対それ以外という単純な東西構図ではありません。

地域ラベルより、県差のほうが大きい

「九州男児」という文化イメージがあっても、現在の行動は県ごとにかなり違います。

しかも、2016→2021で男性の家事時間は大きく増えた

統計局が2021年結果を詳しく分析した資料では、九州のいくつかの県で夫の家事関連時間が5年間で大きく増えています。

夫の家事関連時間 2016年 → 2021年

福岡:59分 → 110分(+51分)
宮崎:75分 → 129分(+54分)
鹿児島:63分 → 126分(+63分)

「県民性」が数年で63分変わった、と考えるより、働き方、子育て意識、社会環境などが変化したと見るほうが自然です。

全国でも、夫は20年で48分→1時間54分

6歳未満の子どもがいる世帯の夫の家事関連時間は、全国で2001年48分、2006年1時間00分、2011年1時間07分、2016年1時間23分、2021年1時間54分と増えてきました。

全国・夫の家事関連時間

2001年:48分
2006年:1時間00分
2011年:1時間07分
2016年:1時間23分
2021年:1時間54分

20年で1時間06分増えています。固定的な男性像より、時代による行動変化のほうが数字にははっきり表れています。

でも「夫も2時間だから平等」とは限らない

2021年の全国平均では、夫の家事関連時間1時間54分に対し、妻は7時間28分でした。

2021年 全国・6歳未満の子どもがいる世帯

夫:1時間54分
妻:7時間28分

男女差は以前より縮小していますが、まだ大きな差があります。九州男児の俗説を否定することと、家庭内分担が十分に均等だと評価することは別です。

福岡では夫+51分でも、妻は7時間27分

統計局の分析資料では、福岡県の2021年の夫は110分、妻は447分。宮崎は夫129分、妻365分。鹿児島は夫126分、妻391分でした。

夫の時間が増えた地域でも、妻の家事関連時間は数時間長い状態です。

「九州男児が家事をするようになったか」と「夫婦の分担が均等か」は、違う問いとして見る必要があります。

家事関連時間には、育児も買い物も入る

この統計の「家事関連時間」は、料理や掃除だけではありません。「家事」「介護・看護」「育児」「買い物」の合計です。

2021年の全国平均では、6歳未満の子どもがいる夫の育児時間だけでも1時間05分。2016年の49分から16分増えています。

「家事をする・しない」という会話より、何に何分使っているかを見ると、変化の中身が分かります。

見るべきは県民性より、働き方と家族の状況

家庭内の分担は、勤務時間、通勤、在宅勤務、共働きかどうか、子どもの人数や年齢、祖父母との同居などで変わります。

九州出身というだけで家事分担を予測するより、今の働き方と家族構成を見るほうがはるかに実用的です。

県民性の俗説は変化を止めて見せますが、生活時間の統計は「行動は変わる」ことを見せてくれます。

どう検証した?

総務省「令和3年 社会生活基本調査」の6歳未満の子どもがいる「夫婦と子供の世帯」について、夫の都道府県別家事関連時間と、全国の夫・妻の2001〜2021年推移を確認しました。さらに統計局研究資料から2016→2021年の福岡・宮崎・鹿児島などの夫婦別変化を確認しました。対象は全男性ではなく、小さな子どもがいる特定の世帯類型です。

使ったデータ

判定:「九州男性は一様に家事をしない」は支持されません。九州内の県差と時代変化が大きく、全国平均を上回る県もあります。ただし男女の家事関連時間には現在も大きな差があります。

「九州男児」より、2人の働き方を見る。

通勤、家賃、買い物、子育て。家事のしやすさは、住む場所にもかなり左右されます。

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