LIFE FIT DATA 05 / 県民性・家計

名古屋人は本当にケチ?
収入・資産・支出で検証

「名古屋人はケチ」と一言でまとめるのは無理があります。 愛知は収入も金融資産も高め。一方で、名古屋市の喫茶代は全国でも目立ちます。節約する場面と使う場面が違う可能性を、家計データから見ます。

公開日:2026年9月19日 更新日:2026年9月26日
まず、ここだけ「お金を使わない」と「お金を持っている」は別の話です。

家計データから見えるのは支出行動であって、性格そのものではありません。

結論家計統計から「名古屋人はケチ」とは言えません。愛知県は収入も金融資産も全国上位ですが、名古屋市の喫茶代は全国1位。お金を貯めることと、何にも使わないことは別です。
全国=100に換算

愛知は貯める。でも、名古屋は喫茶にも使う

所得・資産・喫茶代を、それぞれ全国平均との比で比較。

年間収入110
金融資産122
喫茶代160

年間収入・金融資産は愛知県2019年、喫茶代は名古屋市2023〜2025年平均。全国平均=100。

愛知は「収入が高い県」だった

2019年全国家計構造調査で、総世帯の1世帯当たり年間収入は全国558.4万円。愛知県は613.4万円で全国3位でした。

2019年 総世帯・年間収入

1位 東京:629.7万円
2位 神奈川:615.4万円
3位 愛知:613.4万円
全国:558.4万円

「お金を使わないから貯まった」と考える前に、そもそも入ってくる金額が高い地域だったことを見ないといけません。

金融資産は全国3位。もちろん「ケチ度」ではない

同じ2019年調査で、総世帯の金融資産残高は全国1,279.7万円。愛知県は1,557.3万円で3位でした。

2019年 総世帯・金融資産残高

1位 神奈川:1,607.7万円
2位 奈良:1,564.5万円
3位 愛知:1,557.3万円
全国:1,279.7万円

資産が多いのは事実です。ただし金融資産は、収入、年齢、世帯人数、住宅、相続、投資などの影響を受けます。

「貯金が多い=使うのを嫌がる性格」と読み替えることはできません。

47都道府県では、所得と金融資産がかなり一緒に動く

別記事で2019年の47都道府県を比較したところ、年間収入と金融資産残高の単純相関はr=+0.80でした。

つまり、資産が多い県ほど収入も高い傾向がかなり強い。愛知の金融資産の多さを「節約好きな県民性」だけで説明するより、高い所得水準をまず考えるほうがデータに沿っています。

「貯めた理由」を性格で埋めない

資産額という結果から、倹約心という性格を逆算することはできません。所得や世帯構造を先に見る必要があります。

その一方で、名古屋市の喫茶代は全国1位

総務省「家計簿からみたファミリーライフ」によると、2023〜2025年平均の二人以上世帯の喫茶代は、名古屋市が年間16,431円で全国1位。全国平均10,261円の約1.6倍です。

2023〜2025年平均 喫茶代

名古屋市:16,431円 / 年
全国平均:10,261円 / 年
比率:約1.6倍

「ケチなら喫茶店にも使わないはず」と単純に反論したいわけではありません。ここで分かるのは、支出には地域ごとの使いどころがあるということです。

節約家でも、好きなものには使える

日常の固定費には厳しくても、外食や趣味には使う。普段は質素でも、祝い事には大きく使う。こうした家計は普通にあり得ます。

「使う人」と「貯める人」を正反対のタイプに分けること自体が粗いのです。

年間収入、金融資産、喫茶代という3つの数字が同時に高くても、矛盾ではありません。

名古屋市と愛知県も、同じ地理単位ではない

ここも重要です。年間収入と金融資産は愛知県全体の数字。喫茶代は名古屋市の二人以上世帯の数字です。

「愛知県民は全員喫茶店に多く使う」とは言えませんし、名古屋市の消費文化だけで愛知県全体の家計性格を代表させることもできません。

地域文化を扱うときほど、市と県を混ぜないことが大切です。

そもそも「ケチ」を何で測るのかが難しい

安い商品を選ぶこと? 貯蓄率が高いこと? 他人への支出を惜しむこと? 無駄を嫌うこと?

「ケチ」は価値判断を含む言葉なので、何を測っても別の意味が混ざります。「倹約的」「貯蓄志向」「価格に敏感」など、測れる行動へ分解しなければ比較できません。

測れる言葉へ置き換える

収入:年間いくら入るか
資産:金融資産をいくら持つか
支出:何にいくら使うか
価格志向:同じ条件で安い方を選ぶ割合
「ケチ」:上のどれとも完全には同じではない

街選びでは、県民性より家計との相性を見る

名古屋へ住むか考えるなら、「名古屋人はケチだから合わない」といった県民性より、家賃、仕事、車の必要性、交通、飲食文化を見るほうが役に立ちます。

収入機会があり、住宅費が自分に合い、好きな店が近いなら、そのほうが毎日の満足に直結します。

地域の家計文化は面白い。でも最後は「その街で自分は何にお金を使いたいか」に戻ります。

どう検証した?

総務省「2019年 全国家計構造調査」の総世帯・都道府県別年間収入と金融資産残高を確認し、名古屋市の消費例として総務省「家計簿からみたファミリーライフ」の2023〜2025年平均喫茶代を使用しました。年間収入と金融資産の相関r=+0.80は47都道府県の2019年データからLife Fit Japanが計算した値です。県データと市データを同一母集団とは扱っていません。

使ったデータ

判定:愛知は所得・金融資産とも高い地域ですが、それを「ケチ」という性格へ変換できません。支出も資産も項目ごとに分けて読みます。

「ケチな街」より、自分がお金を使いたい場所を見る。

家賃、交通、外食、車。何にお金をかけたいかで、合う街は変わります。

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