LIFE FIT DATA 25 / 健康・気候

雪国の人は冬に太る?
地域差と季節変化を分ける

雪が積もれば外出が減り、冬は太りやすそうです。 ただ、「雪国の人はBMIが高い」と「同じ人が冬になると太る」は別の話。県別データだけでは冬太りそのものは分かりません。

公開日:2026年9月19日 更新日:2026年9月26日
まず、ここだけ雪が多い地域だから太る、とは言えません。

本当に冬太りを知るなら、同じ人を季節ごとに追う必要があります。

結論「雪国ほど冬に太る」は、今の県別統計だけでは確かめられません。雪の多い地域にBMIが高い県はありますが、北海道男性は全国平均以下。冬太りを知りたいなら、同じ人の夏と冬を比べる必要があります。
2024年・男性の年齢調整済み歩数

雪の多い地域でも、歩数はそろわない

年間歩数だけで「雪国は冬に太る」を証明することはできません。

宮城9,407歩
全国8,564歩
青森8,146歩
北海道7,912歩
秋田7,751歩
岩手7,563歩

年間平均。冬だけの体重増加を検証するには、同じ人の夏・冬を追う必要があります。

まず、雪の量は地域で桁違い

気象庁の1991〜2020年平年値では、年降雪量は青森567cm、札幌479cm、新潟139cm、仙台59cm、東京8cm、大阪1cmです。

年降雪量・1991〜2020年平年値

青森:567cm
札幌:479cm
新潟:139cm
仙台:59cm
東京:8cm
大阪:1cm

冬の外出条件が同じではないことは明らかです。問題は、その差が体重にどうつながるかです。

年間BMIでは、雪国だけが高いわけではない

厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査」の年齢調整済みBMIでは、男性全国23.9、女性22.3でした。

2024年 年齢調整済みBMI

全国:男性23.9 / 女性22.3
岩手:24.9 / 23.0
秋田:24.8 / 23.2
青森:24.5 / 22.5
北海道:23.8 / 22.4

岩手や秋田は高めですが、北海道男性は全国平均23.9を下回る23.8です。「雪が多いほどBMIが高い」と一直線には並びません。

歩数も、雪国だから一律に少ないわけではない

同じ2024年調査の20〜64歳・年齢調整済み歩数を見ると、全国男性8,564歩、女性7,291歩でした。

2024年 1日あたり歩数

全国:男性8,564歩 / 女性7,291歩
北海道:7,912歩 / 6,666歩
青森:8,146歩 / 6,553歩
岩手:7,563歩 / 6,984歩
宮城:9,407歩 / 6,929歩
秋田:7,751歩 / 5,234歩

雪の多い地域で歩数が低めの例はあります。一方、宮城男性は9,407歩で全国平均を大きく上回ります。年間平均の歩数だけでも、雪の量ときれいに対応するわけではありません。

年間平均では「冬だけ」を取り出せない

春から秋に多く歩けば、冬に歩数が落ちても年平均では見えにくくなります。冬太りの検証には季節別の測定が必要です。

一番の問題は、「雪国」と「冬」を混ぜていること

岩手県の平均BMIが大阪府より高いとしても、それだけでは岩手の人が冬に体重を増やした証拠にはなりません。

地域差には、食事、年齢、職業、所得、車移動、運動習慣などが混ざります。冬太りを確かめたいなら、同じ人について夏と冬の体重を測り、その変化量を比較する必要があります。

「雪国の人は太っているか」と「雪国の人は冬になると太るか」は、分析設計そのものが違います。

冬太りを調べるなら、同じ人の夏と冬を見る

必要なのは、同じ参加者を一年の中で繰り返し測るデータです。

欲しいデータ

体重:夏と冬の同一人物の変化
歩数:季節別の平均歩数
積雪:その人の居住地点の降雪・積雪
食事:年末年始を含む摂取量
移動:車利用や通勤方法の季節変化

ここまでそろえば、「雪が多い冬ほど活動量が落ち、体重が増えるか」をかなり直接的に見られます。

雪で外へ出にくくなる可能性はある。でも方向は一つではない

積雪や路面凍結で徒歩や自転車が減る人はいるでしょう。一方、除雪作業が身体活動になる人、冬季スポーツをする人、公共交通へ切り替えて歩く人もいます。

食事も、年末年始の影響と雪そのものの影響を分ける必要があります。寒いから高カロリー食が増えるのか、行事食なのか、外食が減るのか。簡単な県ランキングでは切り分けられません。

住むなら「太るか」より、冬でも外へ出やすいか

移住先を選ぶなら、将来何kg太るかを予測するより、冬でも日常の移動が成立するかを見るほうが実用的です。

歩道は除雪されるか。駅やスーパーまで冬も歩けるか。屋内で運動できる場所があるか。車が使えない日でも買い物や通院ができるか。

雪国の健康リスクを「冬太り」の一言にするより、冬の行動範囲がどう変わるかまで見るほうが暮らしに近づきます。

どう検証した?

気象庁の1991〜2020年平年値から代表地点の年降雪量を確認し、厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査」の都道府県別・年齢調整済みBMIと歩数を比較しました。BMI・歩数はいずれも季節別の同一人物追跡データではないため、雪による冬季の体重変化や活動量変化の因果推定には使っていません。

使ったデータ

判定:「雪国ほど冬太りする」は現状の都道府県断面データでは判定できません。年間BMI・歩数から季節変化を推測せず、同一人物の夏冬比較が必要です。

冬に太る県かより、冬でも出かけやすい街か。

雪、交通、買い物、病院。冬の毎日まで想像して比べます。

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